楽天損保の現状2019
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35保険事業をとり巻く経営環境の中で、様々なリスクを的確に把握、管理していくことが、経営の重要課題となっています。このため、リスク全般の把握とその管理態勢を強化するために様々なリスクを統合して管理するリスク管理部を設置し、各「リスク管理部会」とそれらを横断的に統括した「リスク管理委員会」で実効性のあるリスク管理を行っています。【1】 リスクの種類とリスク管理の方法当社では、保険事業に係るリスクを以下のように分類し、各々のリスクに係る業務を所管する統括部門を事務局とする各リスク管理部会およびリスク管理委員会で、リスクの把握、分析、評価、管理を行っています。リスクの定義リスク分類リスク管理への取組み 保険事故の発生状況、金利動向、経済情勢などをふまえつつ、保険商品の収支状況の分析、将来収支予測などを実施してリスクの把握に努めるとともに、リスクの特性・規模に応じた諸準備金の積立、再保険手配を実施しています。 あわせて、保険引受にあたっては、リスクの特性に応じ設定された引受基準を厳正に運用しています。 なお、再保険に関する方針などは次ページに記載のとおりです。 ※ 経済情勢や保険事故の発生率などが保険料設定時の予測に反して変動することにより、当社が損失を被るリスク 運用資産の残高・含み損益状況の把握に努めるとともに、リスク限度額を具体的に定め、バリュー・アット・リスク法によるリスク量の計測などを行うことにより、リスクの適切な管理に努めています。 また、通常の市場変化を超える動きが発生した場合の損失額の検証として、ストレステストを定期的に実施し、その結果と資本との比較を行っています。①金利の変動により収益が減少したり、キャッシュフローが不安定化するリスク②株価等の変動により資産価値が下落するリスク③為替相場の変動により損失を被るリスク 個別取引に際しては、厳正に信用リスクを分析・審査を行ったうえ、投融資を実施しています。 また、厳格な資産の自己査定により適切な償却、引当を行っています。 与信先の財政状況悪化などにより、資産価値が下落ないし消滅し、当社が損失を被るリスク 新契約、解約、満期などの資金移動に関する情報収集・分析に努め、適切な資金繰り管理に努めるとともに、大規模災害発生時の資金確保態勢に留意し、資金調達のための資産の流動化が円滑に行えるよう、常時、取引環境などを注視しています。 予期せぬ資金流失により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な価格での資産売却を余儀なくされることにより当社が損失を被るリスク保険引受リスク市場リスク信用リスク流動性リスク 各業務分野について、事務手順・ルールなどに関するマニュアルの整備を行うとともに、所属部署における自主点検・内部監査部による内部監査などを参考に事務の改善、事務水準の向上に努めています。 当社の役職員および保険募集人が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正などを起こすことにより当社が不利益を被るリスク事務リスク2 リスク管理の態勢Ⅰ 当社の概況および組織Ⅱ 当社の運営Ⅲ 当社の主要な業務の内容Ⅳ 損害保険用語の解説Ⅴ 業績データ

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