楽天損保の現状2019
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60保険契約は、すべて約款および特約に基づいて契約され、保険契約申込書に表示された保険種類の約款および特約を承認し、申し込んだ保険契約者は、その内容に拘束されます。約款の位置づけ 【1】損害保険契約とは、保険会社が一定の偶然の事故によって生ずる損害の補償や人の傷害疾病に基づく一定の給付をすることを約束し、保険契約者がその報酬として保険料を支払うことを約束する契約です。(保険法第2条)したがって、損害保険契約は双務・有償契約であり、当事者の口頭の合意のみで有効に成立する不要式の諾成契約です。しかし、多数の契約を迅速・正確に引き受け、後日契約内容をきちんと確認できるようにするために、通常、保険契約の申込みには一定様式の保険契約申込書を使用し、保険会社は契約締結の証として、保険証券または保険引受証を作成交付します。これには保険の対象、補償危険、保険金額、保険期間などが記載されています。なお、保険契約は、保険会社から権限を委託された損害保険代理店を通じて締結されるのが一般的です。保険契約の性格 【2】①再保険の仕組みについて再保険とは、「保険会社が引き受けた危険の一部または全部を他の保険会社に転嫁する」保険会社間の保険契約です。保険会社は保険契約者のために常に安定的、合理的な経営を行い、保険金の支払いに充分に備える必要があります。しかし、非常に多数の契約を引き受けることにより、数多くの危険を抱えることになり、特に航空機・大型船舶・石油化学コンビナートなどの巨額な物件や台風・地震などの自然災害による大きな危険も予測しなければなりません。このために、保険会社は引き受けた保険契約に基づく保険責任の一部を他の保険会社に移転し、また相互に交換することにより危険の平均化、分散化をはかっています。この仕組みを再保険といいます。②再保険についての当社の方針(ア) 再保険を手配する(これを「出再」といいます。)にあたっては、確実に回収できることを第一と考え、出再先で   ある保険会社は一定の基準を満たした信用力の高い保険会社を選定しています。(イ) 再保険を引き受ける(これを「受再」といいます。)にあたっては、国内受再は慎重な判断のもとに引き受け、   海外からの受再は引受リスクの精査が難しいことなどから原則として行っていません。再保険 【3】私たちの身の回りには、偶発的な事故や災害によって個人生活や企業活動が阻害され、安定した社会生活が脅されるという危険が常に潜んでいます。さらに、私たちの経済社会が発展すればするほど、その環境変化に応じて新しい多種多様な危険が発生します。これらの危険や事故による損害から私たちの生活を守るために考えられたのが損害保険制度です。すなわち、同じような危険を感じている人々が多数集まって、あらかじめ所定の金額 (保険料) を拠出し、実際に事故が発生し被害を受けた人に対して一定の給付 (保険金) を行うことを約束するもので、大数の法則に基づく統計的確率をもとにした経済的救済制度です。保険会社はこの制度の健全な運営と発展を業とすることによって、個人生活や企業活動の安定に寄与することを目的としています。保険制度 【1】3 一般的な損害保険の仕組み4 約款Ⅲ 当社の主要な業務の内容

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