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2019/01/24その他

改正民法(2020年4月1日施行)に関わるお知らせ

2020年4月1日に行われる民法の改正により、約款を用いた取引に関するルールが新たに定められることおよび法定利率の変更について、以下のとおりお知らせします。

1 約款を用いた新たな取引に関するルール
改正民法の中で、以下に該当する場合には、事業者(企業)側が既存の契約も含めてその約款の内容を変更できると規定されています。
① 変更が顧客の一般の利益に適合する場合
② 変更が契約の目的に反せず、かつ、変更に係る諸事情に照らして合理的な場合
原則として約款に基づき契約されている損害保険契約についても、改正民法で規定する上記の条件に該当する場合には、約款の内容が変更されることがあります。

2 法定利率の変更について
⑴ 法定利率の変更について
改正民法により、法定利率の仕組みが変わります。具体的には、現在5%である法定利率がこの日から3%に変更され、その後も、金利の情勢に応じて変更されます。(法定利率は3年ごとに見直されますが、見直しの結果、据え置かれることもあります。)
⑵ 人身傷害保険(ライプニッツ係数)の変更について
自動車保険の人身傷害保険では、将来の逸失利益等の計算に「ライプニッツ係数」を使用しています。この係数は、法定利率(現在5%)をもとに算出されているため、民法の改正と同時に法定利率3%をもとに算出した係数に変わる予定です。(その結果、支払われる保険金の額も変わります)
法令の適用は、事故日が基準となりますので、現在の約款の記載に関わらず、2020年4月1日以降の事故の保険金の計算は、3%をもとに算出したライプニッツ係数を使用することになります。なお、ライプニッツ係数を使った計算は、将来の利息の額を控除するために行うものです。このため、法定利率が低いほど保険金は大きく、法定利率が高いほど保険金は小さくなります。

<参考>改正民法 抜粋
(定型約款の変更)
第548条の4 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
(1) 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
(2) 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。

2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。

3 第1項第2号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。

4 第548条の2第2項の規定は、第1項の規定による定型約款の変更については、適用しない。