信頼回復に向けた取組みについて
1 火災保険等の確認調査について
当社では、2007年から2008年にかけて、火災保険等の契約に不適切な点がないかについての確認調査(火災保険では、建物の構造級別の判定や割引の適用、保険金額の設定など)を自主的に実施いたしました。
確認調査の結果、保険料に誤りがあったご契約につきましては、内容を訂正し、差額の保険料を返戻させていただいております。
保険料の誤りが判明したお客さまにつきましては、多大なご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びいたしますとともに、再発防止に努めてまいります。
調査期間内に満期を迎えない長期契約等(長期契約、自動継続契約、既に終了した契約等)において、お客さま宛のダイレクトメール等により確認調査を実施している契約のうち、当社にご連絡されていないお客さまにつきましては、引き続き確認調査を承っておりますので、以下の電話番号までご連絡くださいますようお願い申し上げます。(既に保険期間が終了しているご契約についても確認調査いたしますので、ご連絡ください。)
また、現在ご契約されている火災保険等のご契約内容についてご不明な点がございましたら、同様に、以下の電話番号までご連絡くださいますようお願いいたします。
2 火災保険等の確認調査結果について
当社では、平成19年1月より実施してまいりました火災保険をはじめとした全契約の引受適正化について、2008年7月4日、2008年11月28日にその取組み状況のご報告を行いました。この度、平成22年3月末での取組み状況をとりまとめましたのでお知らせいたします。
適正化点検のなかで、多数のご契約に保険料の誤りが判明し、お客さまに多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。当社といたしましては、これからも再発防止のための取組みを着実に実行することにより、業務品質の向上に努めてまいります。
また、お客さま専用のお問い合わせ窓口(0120-115-603 ※個人のお客様の新規契約のご要望と契約の変更手続きは当社委託先が承ります。)を引き続き設置し、お客さまへのご対応を継続するとともに、今後ともお客さまにご契約内容をご確認いただく機会をご提供してまいります。
なお、万一、保険料誤りが判明した場合には適切な対応と点検に努めてまいりますので、みなさまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
火災保険等の引受適正化の取組みについて
点検対象契約は、2007年3月末の全保有契約(他社幹事契約と自賠責保険を除く)と、過去2年間にお取引のなくなった火災保険と満期戻総合保険の634,447 件です。
保険料を返還した契約の件数と返還保険料(2010年3月31日現在)
再発防止のための主な取組み
ア 代理店の教育体制の充実
以下の施策を行い、代理店に対する管理・育成を強めて参ります。
- 1.代理店資格更新制度の導入
現在、代理店は、設置時の資格試験(募集人資格試験、コンプライアンス資格試験、商品2級資格試験)で代理店業務ができますが、業務知識の維持、向上のため、平成20年6月から代理店資格更新制度を導入いたしました。
これは、5年に1度、更新試験(募集人資格試験、商品専門試験(商品2級資格試験相当))を実施するという制度です。
この制度の導入により、常に業務知識を維持、向上させて参ります。
- 2.代理店研修制度の規程化と代理店教育研修履修制度の導入
当社内に「代理店研修規程(平成20年4月新設)」を設け、代理店研修を必須にしました。これにより、全ての代理店の業務知識向上を図ります。また、研修手法にe-learningも併せて導入し、研修会以外でもいつでも勉強できる体制を構築しました。
また、研修の実効性を高めるため、代理店教育研修履修制度に業務知識要素(研修受講)を反映するしくみを構築しました。
イ 保険金等支払管理委員会の活用等
保険金不払い問題に端を発し、保険金等支払管理委員会を平成18年12月に当社内に設置しておりますが、いわゆる出口部分だけではなく、保険料の返戻について疑義がある事案(お客さまから不服の申立てがあったもの)についても、社外の弁護士、医師を加えた委員で構成する同委員会で審査を行っております。さらに、保険金等支払管理委員会は、審議結果を取締役会へ報告する体制を構築しております。
また、代理店がお客さまの契約を聞き取り、チェックする「ご契約確認(意向確認)シート」を全契約に添付し、それを社員が点検することで保険料の「とりすぎ」を未然防止する体制を構築しました。
ア 契約確認(意向確認)シートの導入
上述のとおり、平成19年9月から「ご契約確認(意向確認)シート」を導入し、お客さまのニーズ、物件情報の聞き取りを確かなものとする制度を導入しました。
平成21年7月には、記載漏れや記載誤りを無くすために、点検マニュアルを作成、平成22年1月より自動車保険では申込書と「ご契約確認(意向確認)シート」の一体化により平明化・簡素化を図り使用しやすく改定を行いました。
イ 構造、割引、評価などの説明の充実
ご契約確認(意向確認)シートの導入のほか、申込書に、「構造」「割引」「評価」の説明を記載し、適正な保険のお引き受けを確実なものとするツールを加えました。
また、カラー写真をふんだんに用いた「火災保険引受ガイドブック」や「自動車保険引受ガイドブック」を新規作成し、当社代理店の業務知識を向上させ、わかりやすい説明ができるようツールを作成しました。
ウ 計算ミスなどの技術的ミスの排除
家計保険分野の火災保険については、原則、コンピュータ作成による契約申込書を使用することを徹底し、コンピュータ作成による契約申込書を使用しない場合には、コンピュータ作成による保険料計算書の添付を義務付けることで、保険料適用誤りによる計算ミスを防止します。割引の入力ミスは、契約確認(意向確認)シートの全件添付、社員による内容点検でミスの防止を行います。
(3) お客さまへの説明体制(当社の代理店指導体制)
ア お客さまに対するわかりやすい説明の実施(代理店業務知識の向上)
上述のとおり、平成20年6月から「代理店資格更新制度」を導入、平成20年4月から「代理店研修規程の新設」、平成20年度から「代理店教育研修履修制度の導入」を行い、当社代理店業務知識の向上を図って参ります。
また、説明のための各種ツール、各種ガイドブックを用意しました。
イ お客さまに対する確かな説明の実施(契約確認シート導入とご契約者様アンケート実施)
上述のとおり、平成19年9月から「ご契約確認(意向確認)シート」を導入し、お客さまのニーズ、物件情報の聞き取りを確かなものとする制度を導入しました。
さらに、当社代理店が、真にお客様に説明ができているか確認するため、ご契約者様全員にダイレクトでアンケートを実施しております。このアンケートには「代理店がわかりやすいご説明を実施したか」の項目をもりこみ、万一、当社代理店がお客様に「説明を行っていない」場合、当該代理店を個別に強く指導するほか、代理店内部事務監査の強化(重要事項説明、意向確認書面取付け状況、対象物件調査)、代理店評価の引下げなどの措置を講じております。
ウ お客さまに対する確かな保険契約引受の実施
当社代理店が、真にお客さまに説明し、確かに引き受けているかを点検するため、更改前契約と更改後契約の差分(変化のあったところ)のチェックを平成22年8月より開始します。安易に、更改後契約のみを変更することなく、遡って是正されているかをチェックし、契約の適正化を進めてまいります。
エ 長期契約のお客さまなどで今般の調査でご回答のなかったお客さまへの対応
本調査をこれで終わらせることなく、今後継続して行う点検項目として認識し引き続き点検のご案内を続けてまいりますとともに、ご相談窓口を継続して設置いたします。また、調査で回答のあったお客さまも含め、全契約について、年に1度「ご契約のお知らせ」を発送(平成22年2月)し、お客様のご契約内容をお客様自身でご確認していただいております。さらに「ご契約のお知らせ」が不着となったものについては、現住所等の調査を行い、一部の長期の火災保険契約、傷害保険契約でご回答のなかったお客様にご案内できるようにいたします。
オ お客さま相談窓口の設置
今後もご相談窓口(0120-115-603 ※個人のお客様の新規契約のご要望と契約の変更手続きは当社委託先が承ります。)にて、お客さまの保険契約の疑問に対応してまいります。
3 保険金支払い漏れ等に関する対応状況について
対応状況
当社における保険金支払い漏れについては、2002年4月から2005年6月の間に、いわゆる付随的保険金が2,282件131百万円、2001年7月から2006年3月の間に、第三分野商品にかかる保険金が2件3百万円を確認しております。
このうち、2007年10月末現在、付随的保険金が2,236件、127百万円、件数ベースで98.0%、第三分野商品にかかる保険金が2件5百万円をすでにお支払いしており、件数ベースで100%の進捗状況であります。
現在の対応状況の詳細は、次のとおりです。
取組み
付随的保険金の支払い漏れについては、2005年11月25日、当社を含め損保26社に対して金融庁より業務改善命令が出され、2006年7月13日、業務改善計画を提出いたしました。
第三分野商品にかかる保険金については、当社にあっては金融庁より業務改善命令を受けておりませんが、再発防止に向け各種対策を講じております。
- 1.お客さまへのわかりやすい説明の推進
パンフレット、重要事項説明、証券の表示方法を改定し、お客さまのニーズが何か、どんな保険にご加入なされているのかについてわかりやすい説明を実践しております。
また、万一事故が発生した際、どの保険金がお支払い対象になるか、可能性があるもの全てについてご連絡を開始いたしました。
- 2.保険金お支払い時、お支払い後の点検強化(支払い管理チーム、損害サービスセンターの設置)
保険金のお支払い時における支払い漏れの人的、機械的点検の強化を行っておりますが、保険金のお支払い後も「支払い管理チーム」による全件調査を実施しております。
さらに、お客さまには、お支払いした保険金のお問合せなどができる「お客さま専用お問い合せ窓口0120-189-919 ※当社委託先が承ります。」を開設しました。
また、医療知識などを必要とする第三分野商品にかかる保険、傷害保険のお支払いについては、「損害サービスセンター」を本社内に設立し、専門のサービスセンターを設置しました。
- 3.保険金等支払管理委員会の設置
社内に当社と利害関係のない医師、弁護士をメンバーとする保険金等支払管理委員会を設置し、「第三分野商品にかかる保険で不払いとなった全事案」、「お客さまから苦情(不服)となった全不払い事案」等を原則毎月審議する体制を構築いたしました。
- 4.お客さまの保護に向けた全社的取組み
全役職員が一丸となってお客さまの立場に立った保険の募集、お支払いを今後も推進するため、ガバナンスの強化を推進してまいります。また、「お客さまの声は宝物」として、大切に扱いますとともに、「お客さまの声」の件数、内容等について、平成20年11月から本ホームページに開示いたしました。(年1回更新)
4 第三分野商品保険金支払い状況について
当社では、お客様の利便の向上を図るために、疾病または介護を直接の支払い事由として保険金をお支払いする第三分野の保険(医療保険、がん保険等)について、保険金の支払い状況(お支払い件数、お支払いできなかった件数等)を公表しております。
(注)その他とは、医療費用保険、所得補償保険、介護保険等のことをいいます。
半期毎の時系列推移表
用語の解説
用 語 |
解 説 |
詐欺取消・詐欺無効 |
保険契約の締結に際して保険契約者、被保険者または保険金受取人等に詐欺行為があり、契約が取消または無効となったため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |
告知義務違反解除 |
保険契約の締結に際して、保険契約者、被保険者の故意または重大な過失によって、告知いただいた内容が事実と異なり、契約が解除となったため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |
通知義務違反解除 |
重複する保険契約の通知を保険契約者、被保険者からいただけなかったことにより、契約が解除となったため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |
重大事由解除 |
契約者、被保険者または保険金受取人が保険金を詐取する目的で事故を起こすなどの事由により、保険契約が解除となったため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |
支払事由非該当 |
責任開始日前の発病など、保険約款に定められた保険金のお支払事由に該当しなかったため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |
免責事由該当 |
被保険者の故意など、保険約款に定められた保険金を支払わない事由に該当するため、保険金のお支払対象とならなかった件数です。 |